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「手を離すな、目を離すな。サカサマのパテマ」

どうも、この頃昼夜逆転して朝が来るのが怖いにわかです。

今回は2013年に劇場公開され、スタジオ・リッカ制作『サカサマのパテマ』についてお話ししたいと思います。

かつて地上で重力をエネルギーに変換する実験が行われ、その実験のミスにより重力が反転してしまった人類(サカサマ人)と重力が反転しなかった地上組と2つに分かれました。

重力が反転してしまったサカサマ人の多くは空に落ちていき犠牲となる。

生き残った者も地下生活を余儀なくされる状態となり、完全に人類は2分化されました。

地上組は「空は罪人が落ちる場所」と教えられ忌み場とされています。地上では大災害が二度と起きないよう徹底的に教育が行われており、市民も管理制と完全に独裁国家の一途を辿っていました。そんな「空を見る」という行為自体が危ぶまれる地上で1人だけ空を眺める少年エイジ。

一方、サカサマ人は地上の人間と昔は友好関係を結んでいたが時が経つにつれ交流もなくなり自給自足の生活を送っています。

そこに住むパテマは好奇心旺盛な性格で未知なる世界を知りたがり、小さい時に良く話をしていた冒険家ラゴスの影響もあってか危険区域とされている場所にもよく足を運んでいました。

そんな危険区域を探索している際、サカサマ人からしたらサカサマの存在で、恐れられているコウモリ人間に襲われます。

危機を脱したものの、安堵した瞬間に大きい穴に吸い込まれてしまいます。

そこは地上と繋がる穴。サカサマ人からしたら未知の世界であり、死を意味する空がある場所です。そこで助けて貰って出会ったのがエイジでした。

交わることが許されない2つの人種が出会いそこから物語が始まります。

〜見所〜

あらすじでも紹介はしていますが本作の見所は特殊な設定と見せ方です。

今まで重力とかこういった系統のアニメが少なかった印象です。

重力が逆さまな人間とそうでない人間がいるということはお互いの視点も全く逆になるわけであって、カメラワークとか観ている側からしたら結構頭を使う状況が多かったと思います。ですがそれを、わかりやすく、そして自然に変っていくのですんなりと受け入れられる演出でした。

そして決して同じ地面を踏みしめる事のない2人という設定を砂時計など小物を使って表現しているのも見せ方が上手いと感じる一部分でした。

あらすじだけを見ると話がわかりやすいのですが、後半につれて本当の地上はどこなのか、とか伏線を回収していくたびに複雑になっていき緊張感が増し、面白くなります。

後半にドバッと話が進展していくので好きな方にはおすすめです。

〜感想〜

個人的には見た事のないようなアニメ作品だったので最後まで見れました。

若干、今はどういった状況でどういった視点なのかなど複雑で分からなくなる場面もありますが、それを補佐してくれるカメラワークがあるので心配ないと感じました。

決して同じ地面を踏みしめる事が出来ない2人が、時間を通してお互い信頼し未知なる恐怖と対峙していく、そして理解し合う。ありきたりなストーリーに思えますが特殊な世界観と設定がそれを変えてくれました。

特に普段私たちが見ている空が恐怖の対象っていうのも面白い設定ですよね。

ちょっと残念だったのはそれでもストーリー内容がある程度予想できてしまう風に思えました。

それでも総合的には面白い作品だと思いますので、皆さん時間がある方は見てみてください。

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