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『天気か陽菜か』帆高達の選んだ未来は?

天気の子は新海誠監督の七作品目の作品で、帆高と陽菜が、天気を巡って選択していくストーリーだ。「これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」をキャッチコピーに物語は構成されている。

家出少年の帆高が異常気象が続く東京で天気を変える力を持つ陽奈と出会う所で物語は急速に進んでいく。

この作品で一番印象に残ったのは新海誠監督独特の言い回しだろう。「天気の子」では特にモノローグが多く使われており、どの言葉も詩的で心を揺さぶられる。特にホテルで陽菜の姿をみた帆高の言葉「神様、お願いです。もう十分です。もう大丈夫です。僕たちはなんとかやっていけます。だからこれ以上僕たち何も足さず、僕たちから何も引かないでください。」のセリフは物語の中で一番印象に残った。

新海誠監督はこのセリフについて、その先の人生を温めてくれるような一瞬。その瞬間を帆高に、そして観客に経験して欲しいと言っていた。無意識に続かないと分かっている幸せを願って放った言葉であることが伝わった。他にも「光の水たまり」や、「あの光に入りたくて」など節々に綺麗だと感じる表現があり、作品にある種の上品さを出していた。

また、雨や水の表現がとても綺麗で、物語の上品さを引き立たせる。「君の名は。」で特に評価が高かった背景だけでなく、もともと新海誠監督でよく見られる雨のシーンが融合していた。作品で重要なモチーフとして雨がある。この点に関しては「君の名は。」より綺麗な表現になっている。また、「天気の子」では雨だけでなく雲の中の世界もかなり綺麗に描かれている。水の魚や竜の姿をした水の魚の群れ、雲の中の大地とその中に描かれる青空。どれも綺麗で圧巻の一言だった。

キャッチコピー以外にも「選ぶ」というワードが重要になっており主人公だけでなく主人公を取り巻く全てのキャラクターが理不尽とも思えるような残酷な選択を迫られた。その結果は主人公たちにとっては残酷なものだが綺麗で納得のいく結末だろう。今回の作品も新海誠監督らしく、完全なハッピーエンドではなかったがとても面白い作品だと感じた。

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