今回はドワーフ展に行ってきたのでそれについてまとめていく。
『どーもくん』や『こまねこ』など、数々のキャラクターを生み出し、Netflixシリーズ『リラックマとカオルさん』『リラックマと遊園地』や木彫人形によるストップモーション時代劇『HIDARI』パイロットフィルム、ゼスプリ『キウイブラザーズ』のテレビCM、『コジコジ』のコマ撮りアニメ、アニメ『BEASTARS』のオープニング映像。
そして、2023年12月28日(木)から世界配信中のNetflixシリーズ『ポケモンコンシェルジュ』など、卓越した技術力のコマ撮りを中心とした映像作品で、国内外で評価されているアニメーションスタジオのドワーフ。
【ドワーフ公式から引用】
このように歴史あるドワーフがついに20周年を迎えた。
今回の展示会は東京ドームシティGallery AaMoにて12月2日から12月17日まで開催された。
ドワーフ展では「どーもくん」や「リラックマ」などの絵コンテや実際に使われてた人形や舞台セットが置かれていたりした。また、実際に使用されていた人形と自分で持参したぬいぐるみを一緒に撮影できるフォトスポットも用意されている。
【持参したぬいぐるみと一緒に撮影できる。】
【実際に使われた人形たち】
実際に足を運んでみると、一つ一つのアイテムも広げられていて設定がとても凝っており、また「リラックマ」では着ぐるみという設定があるため、リラックマの着替えが何着も用意されているなど、細かいところにも気を配られていました。
またネットフリックスのTシャツを着ているリラックマと国際エミー賞の受賞メダルは、主催者によって急遽置かれることが決まったそうです。
受賞メダルはなかなか目にすることがないのでぜひ観客のみなさんにも見てほしいという計らいがあった。
【急遽展示されたリラックマとエミー賞のノミネートメダル】
ドワーフ展では豪華ゲストによるトークショーが行われていました。ゲストにはシンガーソングライターの槇原敬之さん、コマドリストの竹内泰人さん、ドワーフのプロデューサー松本紀子さん、ドワーフのディレクター合田経郎さんなどの超豪華ゲストとなっておりどのトークショーを見ても見応えのあるものになっていました。
展示会を見終えて最後には多くの会場限定グッズなどが販売されておりどれも輝いており欲しくなってしまいました。
そして今回ドワーフ代表の松本紀子さんやドワーフの生みの親、合田経郎さんにインタビューすることができました。
佐藤:日本工学院専門学校マンガ・アニメーション科四年生の佐藤です。
本日はどうぞよろしくお願いします。
合田さん:合田です。よろしくお願いします。
松本さん:松本です。よろしくお願いします。
【左:合田経郎 右:松本紀子】
佐藤:それではいくつか質問させていただきたいと思います。
なぜコマ撮りアニメーションというのをやろうと思ったのか、お聞きしたいです。
合田さん:25年前にどーもくんをやって、当初はコマ撮り前提で考えたものではないんですけど、いろいろ方法論を探す中でやってみたら面白かった。なんだこりゃって驚いて、もっと知りたいなっていうふうにそこからずっと、もっと知りたいなと思ってやっていますね。
佐藤:なるほど。どんどん新しいものを探求していくということですね。
合田さん:そうですね。これができるんだったらこれができるかなとか、そういうことをずっとやっているっていう感じと、どーもくんを作ったことで自分のことも知ってもらえるようになって、そうするとみんなぐらいの人たちとかがコマ撮りやりたいんだけど、やっぱ家では作れないしとか、職業としてはなかなか難しいしっていう相談を受けるようになって、それで本当にやりたいと思っている人に場所が必要なんじゃないかっていうことで、ドワーフを作ってそれを未だにやっているという感じですね。
松本さん:元々は実写というかコマーシャルとか作ってたんですよね。なんですけどコマ撮りをやるようになって、コマ撮りっていうのは実は一番簡単に国境を越えられる映像だって思ったんですよ。というのは、実写って東洋の日本の街で撮ってるねとか、いわゆる日本のアニメーションって世界でもちろんファンがいるけど、ジャパニメーションというジャンルじゃないですか。
コマ撮りってそもそもやってる人が少ないせいもあるんですけど、どこの国で作ってるか割とみんな気にならない。どーもくんの映像がインターネットを通じて海外に出てたときに、どーもくんはアメリカで作ってると思ってる人がいたり、こまねこってフランスで上映されたんですけど、フランス人が作ってると信じてる人がいたりとかエンドクレジットが出るまで日本人が作ってるかわかんないってよく言われてました。日本から発信するのは、コマ撮りってすごくいい手法なのかなって思ったんですよ。いろいろな武器で戦おうとしたけど結局竹槍が一番いけたみたいな、剣道だったら負けないみたいな、なんかそれ的な感じで、なんかやっぱり作るならたくさんの人に見てもらいたい。そのためにコマ撮りってすごくいい手法かもなって思いました。
佐藤:ありがとうございます。ドワーフの25周年を振り返って、今後やっていきたいこととかありますか。
松本さん:そうですね、何か面白いものを作りたい。面白いものが作りたいし、面白いものを作るための仲間を集めたいですね。新しい人材育成みたいな人材育成ってあれですけど、何か若い方もいらっしゃったんですけど、プロジェクトの中ですごく育つ、あっという間に育つんですよ。だからどんどん変化するし、いろんな新しい人に新しいものを作っていく手助けをしていきたい。大体こんな感じのものを作ろうじゃなくて、どんどん新しいアイディアでちゃんと面白いものを日本から発信していきたいと思ってます。
合田さん:東日本大震災のときにツイッターで小さなつぶやきを見て、かわいいものを見ると元気が出るっていう言葉があったんですね。手法はともかく、かわいいものとか、わくわくするものとか、なんか和むみたいなものとか、何かそういうものって人の生活や人生の栄養になるかもしれないと思ってうちがやってることには価値があるんだと思って、発信を続けたいなと思います。目標とするならば、やっぱり自分たちのオリジナルのキャラクターで自分たちの看板になるような作品を続けたいなと、そんなことに向かって、進んでいるのかなと思います。
佐藤:僕もクリエイターの端くれとして、確かに面白いものを作りたいっていうのが一番重要なのかなと思います。
最後に、ストップモーションアニメを目指してる学生に一言いただけますでしょうか。
合田さん:やっぱりストップモーションは作って楽しくて、見て楽しくて、そして誰かのことを楽しませるものだと思うので、やりたいなと思ったら、ぜひトライしてもらいたいなと思います。
松本さん:本当に楽しいと思うので、ぜひやり続けてほしいし、楽しいことを続けてほしいし、どんどん上手になってほしい。見せ合って、仲間がいてっていうふうになっていくと、いろんなことを情報交換できると思うのでぜひ何かそういうコミュニティを作ってほしいし、ぜひその中にドワーフも混ぜてほしいなと思います。
佐藤:本日は貴重なお時間ありがとうございました。
合田さん、松本さん:ありがとうございました。
最後にインタビューにもあった様にストップモーションアニメやドワーフにとても愛を感じる展示会になっていました。