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いじめられてたやつが見る「かがみの孤城」

 

 原作は辻村深月先生のベストセラー小説「かがみの孤城」。子供から大人まで幅広い世代から愛されてる小説が2022年12月23日に満を持して劇場アニメ化。

 

 学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころが、ある日突然光だした鏡の中に飛び込む。そこにはこころと同じ中学生の6人の子どもたちと「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子がいた。オオカミさまは、戸惑う子どもたちに「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。

期限は約1年間。

 次第にそれぞれの事情が明かされていくが、1つだけ叶えられる願いを叶える権利は誰の手に…



 この作品を見て個人的に目をひいたのはパラレルワールドではないということだ。物語中盤では同じ時間軸の子ども達と思われていたが、終盤で別の時代から集められたものだと明かされる。生ている時代が別というものが急に出てきたのではなくそれぞれが生きている時代で流行っているゲームや映画、某有名アニメキャラの決め台詞の認識の違いなどで伏線がしっかり回収されており、細かく作り込まれている。

 また、本作は「いじめ」というものをかなりダイレクトに表現している。机に書かれた悪口や心無い言葉、女子同士の関係性など思春期に起こりそうないじめをリアルに表現しており、見ている人が感情をなにかに掴まれたような感覚になる。さらに、いじめや不幸の数が7人分もパターンがあるのでこのような感覚がさらに引き立つ。しかし、この「いじめ」の解決法も現実的であるが魅力がある。それは、「いじめた加害者とは和解しない」というものだ。進級のときにクラスをべつにしてもらったり、別の学校に転校したりとそれぞれの選択が描かれている。この解決法がものすごく現実的でありながら、否定的に描いておらず決して逃げではないというメッセージ性を感じるものになっている。

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