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四角関係 空の蒼さを知る人よ

この映画の特徴は少し変わったラブストーリーだ。

その中でも特に印象に残ったのは話全体があっさりした作品のイメージから話が進んでいくにつれてだんだんとドロついていくところである。

それもしっかりとした見応えがありながらも適度なドロつき具合で重すぎないところが凄く気に入った。

主人公は17歳の女子高校生あおい。そしてあおいの面倒を見ている姉のあかね。

そんなあかねの元恋人であり、あおいに音楽を教えた慎之助と13年ぶりの再会を果たした。しかし不思議なことにそれと同時期に現れた高校生の姿をした18歳の慎之助(しんの)。この4人がおりなす恋愛模様を中心にしたラブストーリーである。

この物語の見どころは普通ではない四角関係だ。どこが普通ではないかというと四角関係とはいうものの実際は3人である点だろう。そんな四角関係は互いを思う姉妹がそれぞれの慎之助に対し、恋心を持つことで形成されている。

特に面白いのが主人公の性格やこの映画における立ち位置だろう。良くも悪くも素直な性格をしている。そのため周りに迷惑をかけたりすることもあるが熱心に音楽に向き合い、ベースを練習する姿はとても好感を持てた。

そんな主人公だけは2人の慎之助と接触する機会も多く複雑な感情を見せる。なぜなら18歳のしんのに対して好感を募らせていく一方で、現在の慎之助に対してはあまりいい感情を持っていないからだ。さらには姉のあかねが今でも慎之助のことを好きだと知り、どうすればいいか分からなくなった。しかし特に姉の感情に気づいたあとの自分の気持ちに向き合っていくところでは不器用ながらも気持ちに折り合いをつけ、姉を応援する姿には好感が持てた。

そんな四角関係が成立しているがその他にも片思いをしているキャラクターが複数いる。そこも含めてどういう進展をしていくのか見ていて面白かった。しかし、キャラクターを個人で見ていくと人によっては見ていて不快なキャラクターもいるので見る人を選ぶ作品かもしれないだろう。

 

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