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これぞシティーハンター

私が「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」を観てまず思ったのがこれだ。
まず、シティーハンターを語る上で欠かせないのが依頼人の人間ドラマだ。
依頼人は全員なにかしらの悩みや事情を抱えて主人公であるシティーハンターこと冴羽獠の元に依頼に来る。死んだことになっている人物だったり、国際的に有名なヴァイオリニストだったり様々だ。今回の依頼人はモデルをこなす程の美女で命を狙われているからボディーガードをしてほしいとのことだった。

依頼を受けたことで行動を一緒にする依頼人と冴羽獠。
だが、ふざけているようにしか見えない獠の行動が理解できず次第にイラつく依頼人。
だがそれは獠なりの気遣いで彼なりに本音を聞き出そうとしていたのだ。その甲斐あってか少しずつ心を開き己の身の上話を始める依頼人。だがその話は狭い視点からしか見えておらず少し納得のいかない点も多く曖昧なものだった。だが真実は全て隠されていて別視点から見ると悲しくも愛がある話だった。
ラストで真実を知り涙を流す依頼人は印象深かった。
このようにただ依頼をこなすだけでなく本当の意味で依頼人の悩みを解決する点はシティーハンターを語る上では欠かせないだろう。

もう一点あげるとしたら獠と相棒である香のなんとも言えない距離感だろう。
最初はただの相棒でしかなかった二人だが時が経つにつれ次第に意識していきなんとも言えないいい距離感になっていったのだが、二人の付かず離れずの距離感は今回も健在で観ていてとても微笑ましかった。
今回のオリジナルキャラと香が二人っきりで食事に行くシーンでは、獠は文句を言いながなも依頼人としっかり尾行していた。別のシーンでは獠にヤキモチを妬かせようとする香とそれをなんでもない風を装って回避する二人のやりとりがあったり、また別のシーンでは香の事を信じて発砲したりもしていた。この互いが互いを思っているのに前に進まないけどちょくちょくある尊いやりとりは見ていてとてもたまらなかった。

そして今回一番尊かったやりとりが一番最後だ。直接言わないけどいい事言ってるしそういう事ねとなった。これは是非各々で確かめてほしい。
こんな二人の距離感もシティーハンターの魅力だろう。

今回は私が思うシティーハンターに欠かせない点と絡めて話をしてきたが魅力的な点はもっと沢山あるので気になったら是非一度見てみてほしい。

(C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

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