今回は、制作『サンライズ』配給『アニプレックス』で製作された映画『シティーハンター 新宿プライベートアイズ』を見たので、それについて触れていきたいと思う。
まず『シティーハンター』っていったいなんなの、という人も多いだろう。それほど昔の作品といっても過言じゃない。原作は1985年に週刊少年ジャンプで連載が開始されたマンガだ。
作者は北条 司という人で、キャッツアイという今の親世代を虜にした作品を生み出した人である。
それから1987年にアニメ化し、1999年までアニメや映画が作られてきた。
ここでお気づきだろうか。1999年からは『シティーハンター』は作られてないのだ。つまり今回の『新宿プライベートアイズ』は実に20年ぶりに作られた、当時ファンだった方には待望の新作というわけだ。
さて、それを踏まえて内容はどうだっただろうか……。
結論から言うと、最高だった!。
『シティーハンター』と言うのは冴羽獠(さえばりょう)という主人公が、新宿を舞台に依頼してきた女の子を守り、悪を成敗し、ちょっとえっちでバカな騒ぎを起こしたりする作品である。
ジャンルは、ガンアクションにハードボイルド、更にはお色気やコメディまでをこれでもかと打ち込まれた作品だが、とてもメリハリがありその全ての要素が合わさってシティーハンターが形成されていると痛感した。またガンアクションシーンの銃器のこだわりもぜひ注目したい部分だ。現代社会とあって、銃器の種類は様々。射撃の時に銃口が跳ね上がる様や、リロードの細かさなどは銃器ファンでも魅了されることだろう。
そんな魅力いっぱいの作品だが、特に女性にだらしのない三枚目の冴羽獠が真剣になった時に見せる一面。それが何よりもカッコいい。
さらに今回はアニメ版シティーハンターの監督であるこだま兼嗣(けんじ)が23年ぶりに抜擢されたとあって、当時のキャラの雰囲気をそのままに今風のキャラデザになっており、冴羽リョウのかっこよさがより際立っている。
他にも魅力的な登場人物がたくさんおり、本作品で言えば御国真司が素晴らしかった。声優が山寺宏一というのもそうだが、何より表情がいい。己の信念を貫き、力を身につけそれを行使する様は悪役ながらに、惹かれる魅力を持っていた。
磨かれた力を持ちながらも他人のためにその力を行使する冴羽獠と、暴力的とも言える膨大な力を己が為に振るう御国真司。同じ力を持ってはいるが、対局にいる2人がキーとなり、物語が展開していく本作品。
初見の方にもぜひお勧めしたい。
私も『シティーハンター』という作品に触れるのは、本作品が初めてで精々知っているのはGet Wildという曲と、冴羽獠がとんでもない技量を持っているということだけ。そんな私でも、作中は画面に被りつくように見ていた。新規キャラも出ていて多少難解な部分はあれど、内容自体は全く問題なく楽しめる。
最後に、これを見て作品が気になったという方は、似たような力を持ちつつも真反対の使い方をする2人、コメディとハードボイルドのメリハリ、何よりも主人公である冴羽獠のハードボイルドシーンに注目して、是非『シティーハンター 新宿プライベートアイズ』を楽しんでいただきたい。
(C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会