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哭倉村入村記録(ネタバレあり)『ゲゲゲの謎』

あらすじ

戦争から生き延び、サラリーマンとして血液会社に勤める水木。彼はある野心を抱えており、自ら名乗り出て龍賀一族が支配する哭倉村へと向かう。一方、鬼太郎の父(ゲゲ郎)は生き別れた妻を探しに村へ訪れる。龍賀一族の歪な後継争いに巻き込まれた二人は村の秘密を探るため、共に立ち向かっていく。ジャンルはサスペンスホラー。

 

背筋が凍りつく、印象的なストーリー

和製ホラー特有の陰湿な恐怖描写と脳裏に残る異様な空気感に鑑賞中はずっと息が詰まる思いだった。しかし、幕間に挟まれる水木とゲゲ郎のちょっとしたやりとりに思わず頬が緩んだ。本編がずっと絶望しか感じない内容だったので、二人の友情が見られる描写がより魅力的に感じられた。背筋が凍るようなストーリーラインに織り交ぜられた、種族を超えた奇妙だが困難に立ち向かう二人の姿に胸を打たれること間違いなし。

上映時間104分があっという間に感じられる程テンポが良く、どんどん人が死んでいく様はあの村での命の軽さをよく表していると思う。ラストでゲゲ郎が息子の鬼太郎の命に希望を託し、水木を送り出す場面がある。哭倉村や水木が体験した戦争の出来事と対比されていて、物語のクライマックスを大きく盛り上げる要素の一つとなっている。物語を全て見届けたあと、人によってラストの解釈が変わるのもこの映画の魅力の一つだと思う。

 

鑑賞においての注意点

年齢制限がPG12と設定されているが、子供に見せられるか怪しい箇所もいくつかあったのでグロシーンが苦手な人や和製ホラーが苦手な人は鑑賞に注意が必要。逆にあの恐怖描写で物足りなかった人は、2024年10月4日に年齢制限がR-15に引き上げられた『ゲゲゲの謎 真生版』が公開されるので、是非とも鑑賞して欲しい。

 

総評:鬼太郎誕生のルーツを知れる最高の前日譚

評価: 4.0『ゲゲゲの鬼太郎』を観たことがある人も無い人も楽しめる作品なので、この機会に水木達と共に哭倉村へ入村してみてはいかがだろうか。

 

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