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いちばん怖いのは妖でも何でもなく人間だと分からさせられる作品『ゲゲゲの謎』

「ゲゲゲの鬼太郎の出生の秘密」これが本作のテーマです。

およそ70年前、昭和31年日本の政財界を裏で牛耳る「龍賀一族」によって支配されている、哭倉村が舞台となっている作品です。

戦争に大きく貢献した「M」という薬の秘密を探る血液銀行勤務の水木と、ある日突然行方不明になった妻を探し歩く鬼太郎の父(ゲゲ郎)である「幽霊族の末裔」。この2人が全く違うように見えて同じ目的で村に踏み入れ、運命的な出会いをし、大きすぎる問題に直面し、諦めの悪い2人が命をかけてしがみつくお話です。

まず最初にこの映画は見たあとの後味が最悪で、ハッピーエンドが好きな方にはあまりおすすめすることは出来ません。笑

それでも最後に出てくる赤ん坊姿の鬼太郎はとても可愛いのでそれだけでも見る価値のある映画かな、と思います。

と言っている私ですが、ホラーなどの怖い映画が全般的にダメで、そのシーン辿り着くまでにとてもじゃないが見ることの出来ない部分が多くありました。笑

所々にネズミ男を思わせる見た目の人間や、猫娘にそっくりな女性など「ゲゲゲの鬼太郎」を思わせる部分が多くあり、そこは見ていてとても楽しかった印象があります。

ここでタイトルにある『いちばん怖いのは妖でもなんでもなく「人間」である。』という文面の理由に入ります。

              【以下ネタバレ含みます】

最後の方に明かされることなのですが、龍賀一族が幽霊族を攫い、幽霊族の血液を吸い続け死ぬに死ねない状況下で生き地獄を味合わせ続ける。そしてその血液こそが戦争でも使われた血液製剤「M」の正体なのです。

いくら人間ではない別の生き物だからといって、そんな酷いことをしていい理由にはならないし、私がこの映画を鑑賞して1番胸糞悪かったのは間違いなくこのシーンでした。

特に可哀想だったのは、沙代という娘です。

沙代は龍賀一族の死んだ当主である、時貞の孫でありながら、時貞の子孫を増やすために産まれた存在だったのです。つまり実の祖父の性的道具とされていたということです。しかし時貞の子を妊娠することはなく、時貞の「お気に入り」として彼の相手をする以外には価値のない存在とされてしまいました。村を出たくても出させて貰えることはなくとんでもない精神状態の中で大量殺人を犯した末、青い炎にまかれて亡くなりました。正しく美人薄命という四字熟語がよく似合う女性だと考えます。

総括、バッドエンドなどが好きな方にはおすすめですが、ハッピーエンド厨な私にはとてもじゃないが見ていられなかった作品でした。人間って怖い!

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