夏休み。それは教育機関や企業などで夏の期間、授業や業務を休みにする休暇のことである。毎年やってくるそんな天国のような期間に私は、時間を無駄にするかもしれない映画「遠井さんは青春したい!『バカとスマホとロマンスと』」という作品を見に行き、レビューしたいと思ったので今回まとめていこうと思う。
ネタバレを含むため、未視聴の方は注意していただきたい。
原作である動画版の「遠井さん」をちょくちょく見ていた私は、映画化と言う言葉を聞いた時、驚きと嬉しさの反面、映画として大丈夫かという若干の心配もあった。「遠井さん」の動画は確かに凄く面白いが、映画となると面白さが半減しそうだし、何よりYouTubeでのこの映画のレビューが0件と不安になる要素が多かった。
しかし、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』や『PUI PUI PUIモルカーザ・ムービー MOLMAX』で監督を務めたまんきゅう氏、『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』や『キミとアイドルプリキュア♪』で脚本を勤めた加藤陽一氏の名前を見た瞬間「あ、神映画だ」と確信したため安心して見に行くことができた。
この映画は、女子小中学生を中心に人気を誇る2.5次元アイドルグループ「すとぷり」のメンバーであるジェル氏が、企画・脚本・編集・アフレコまで全て一人で手がけるオリジナルショートアニメ動画シリーズ「遠井さん」を映画化した学園コメディアニメである。
あらすじは、主人公の普通の青春を送るはずだった女子高生・遠井さんが、入学初日からひとクセもふたクセもあるハチャメチャ男子・ジェルに気に入られ、謎の部活「青春ロマンス部」に強制入部させられてしまう。活動内容は、「青春っぽいこと」「ロマンっぽいこと」を探すだけ。 …のはずが、爆笑展開の連続に遠井さんのツッコミが止まらず、そしてまさかの動画配信まで始まってしまう!?笑ってばかりと思いきや、映画オリジナルキャラクターである白川はるかを中心にとある事件が起こる。果たして遠井さん達はこの事件を解決することが出来るのか。そしてこの事件の犯人は誰なのか。
鑑賞当日、映画館でこの映画を観ていた人は私と友人を合わせておよそ10人程で、お世辞にも人気とは言えず、親子で観ていた人も居たがほとんど女性だった。
ただ、この映画はガチで神映画だと断言できる。前半は動画で使っている内容もかなり含まれていてファン歓喜だったし、初見でも面白いと思える内容になっていた。特に動画版の映像から始まり、ジェルの能力でアニメ映画の作画になった所は思わず吹き出してしまった。後半はキャラが分かったところでストーリー展開というとても綺麗な流れでちゃんと観客のことを考えて作られていた。
そして、この映画の見どころは前述したジェル氏の演技力である。去年公開された映画の時よりも格段に上手くなっていて、特に遠井さんとジェルの二役を演じ切っていて見事だった。所々気になるところはあったが、プロの声優に引けを取らない実力になっており違和感を感じなかった。ぜひ劇場へ足を運び遠井さん達のドタバタ劇を楽しんでもらいたい。