青ブタファンが「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」を徹底解説!
⚠️以下の記事には一部ネタバレを含みます⚠️
「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の良いところは伏線回収が素晴らしい所だ。
青ブタシリーズは主人公、梓川咲太が思春期特有に起こる思春期症候群。その現象を起点に梓川咲太が多くの人と出会い問題にぶつかり葛藤し解決する青春群像劇だ。
そして、咲太の傷、翔子さんの存在。そして、古賀が咲太の観測者である理由やバニーガールならぬ着ぐるみ咲太でいること。青ブタシリーズお馴染みの量子論など、アニメで関係していた事象、積み重ねられた物事がこの映画に集約されている。
アニメが売れたから映画を作った作品ではなく、アニメ化決定と同時に映画化も発表していたからこそ、ここまで合わせて青ブタシリーズを完成させていたと思う
これまで世界線について整理してきて、それぞれの選択について考えてきた。
自分がもし咲太の立場なら…翔子さんの立場なら…麻衣さんの立場なら…と考えられるようにも作られていて作品に没入しやすいようになっていた。
翔子ちゃんを見殺しにするという選択は辛すぎるという気持ちにもさせられる。
そして、もし翔子ちゃんの立場ならと考えた時、自分は他人の心臓によって生かされているのだから、逆に言えば生きることを強制されていると考えられる。
今自分が、生きることが辛いと思ってるからかもしれないが、生きることを強制された時の気持ちって、すごく気分が重くなってしまう。そのような命について様々な価値観を問いかけるテーマが垣間見えた。
そういった精神状態ではないとしても、咲太を救うという選択をした翔子ちゃんは自分が生きられないことが確定してしまうんだ。それでも咲太や麻衣さんの前で大きな翔子さんとして振る舞っていられたのは子供の背伸びでもあると示唆してるのではないかと考えられる。
以上のことから今作は子供の背伸びした姿や命の価値観、他人の立場からの客観的青思考についてをテレビシリーズを通して視聴者に問いかけるようなメッセージ性の強い作品だと私は考えた。
著 むぎゅぎゅ