◇初めに
昨今益々の盛り上がりを見せるTCG業界、そんな業界を支えているのが【カードショップ】である。 まずカードショップとはその名の通りカードを販売するところであり、遊戯王をはじめ各カードタイト ルを買取・販売しているところだ。そこで今回はこのカードショップ市場の現状や未来の展望を書 き記していく。
◇カードショップの現状と分析
まずカードショップ(以下略)の現状について深掘りしていく、現在カドショは日本全国様々な場所 に点在しており、その店舗数は258店にものぼる。現在もその数は増え続けておりカードゲーム の人気需要に合わせて増える傾向にあると言えるだろう。中でも首都圏、特に東京を中心に広 がっており、エンタメとオタクの聖地アキハバラには数多くのお店が並んでいるのでかなり激戦区 となっている。従って今回は主に秋葉原を中心に分析しよう。 では始めに何故、秋葉原にはカドショが多いのか。それにはいくつか理由があるが最大の理由は 古参のカドショが多くカドショオタクが多いところにあると言えるだろう。
と言うのも秋葉原はその性質上オタクが集まりやすい。もちろんカードゲーム業界にもオタクが存 在し、その人たちの憩いの場として活用されている。そしてカドショとはカードを買取・販売するだ けでは無く、基本的に各店舗に【デュエルスペース】なるものが併設されているのだ。 このスペースは文字通りカードゲームを楽しむ場所である。各店舗によってその特色に違いはあ るが一番の売りはこの場所を無料で開放しているところに有ると言えるだろう。この無料開放は一 見すると店側に無料で開放するというデメリットが発生するが、それを大会を行うことで参加料を プレイヤーから徴収し補っている。もちろんプレイヤー側にもメリットが存在し、優勝者にはその店 の割引券などが贈られWIN-WINの関係を保っていると言えるだろう。
次にそのカードショップの仕組みについて私見だが紹介しよう。先ほどから言っているようにカド ショは基本的にカードを買取・販売しているところだ。 ではその【買取】について説明しよう。買取は文字通りお客様からカードを買い取ってお金に換金 するシステムだが、一般的な買取と違ってその買取価格が著しく変動するのだ。この買取価格を 各店舗で競い合う、その結果様々なカドショが近くに存在するとプレイヤー側はその各店舗の中 で1番買取の高いカドショへと流れるのだ。しかし先ほど述べたように買取金額は変動しやすい、 よって各店舗は近くに別の店舗があるとその店舗の金額を参考にし1番高かった店舗よりも少し だけ金額を高くする、そうしたイタチごっこによってカドショは買取を行っていると言えるだろう。
そして次に【販売】だがこれも似たような現象が発生している、違うところがあるとすれば各店舗 事のキャンペーンによって通常よりも安く販売していたり、傷ありの特価商品などを販売している ところだろう。この取り組みを行うことによってお客さんからの信頼と好感を得やすくなりリピーター が増える、その結果大きい利益へとつながるのだろう。
この近年その買取・販売の価格は大きく変動し、今は高くなっている傾向にあるだろう。特に【遊 戯王】と【ポケモンカード】には好景気であった総称の【バブル景気】なるものが続いており、遊戯 王に関しては全体的に高くなる一方でプレイヤーも店側も難色を示していると言えるだろう。
続いて少し話題を変え、カドショにはどんなタイプがあるのかを例を挙げて紹介しよう。まずは【買 取・販売専門のカドショ】このタイプは比較的多く、単純に強いカードや高価なコレクター向けカー ドなどを多く取り扱っており店の内装もこじんまりとした雰囲気になっている。続いては【デュエル スペース併設のカドショ】このタイプは先程説明した通り基本無料開放しているデュエルスペース が併設されており、休日などはお客さんで溢れかえっている。続いては少し変わった【カフェ&バー が併設されたカドショ】このタイプは比較的最近できたカドショに多く需要としては会社帰りの大人 や、落ち着いた雰囲気でカードゲームがしたい人達に人気のタイプとなっている。バーにはラウン ジとカウンターが付いておりお酒を頼める場所もあるのだとか。続いての変わったカドショは【女性 プレイヤー限定カドショ】だ。このカドショは文字通り女性しか入れないわけでは無く比較的女性の お客さんが多いことが理由で界隈から名付けられたのである。容姿端麗な方が多い気がする。
◇カードショップの未来予想
さてここからはカドショの未来について私見だが話していこうと思う。結論から言うと向こう10年は 衰退しないと思う。何故かというと【遊戯王】が30周年を迎えるからだ。やはりカードタイトルで言う と遊戯王が群を抜いていると断言しても良いだろう、前回の20周年の時に行われた20thシーク レットレアと言うレアリティがあるがこのレアリティは遊戯王バブルを引き起こした火付け役となっ ている。このレアリティが出た事によって、【リンク召喚事件】の影響を受けた小型のカドショは救 われただろう。そして20thを終えた現在でもその価値は上がり続けており、暴落した覚えが無い。 なのでやはり周年レアリティを出している遊戯王を取り扱っているカドショは30周年に期待してい ると言えるだろう。だがこの周年レアリティがもし継続せず、レアリティが通常のカードしか出なく なった場合カドショは潰れしまうかもしれない……そしてそもそも遊戯王というコンテンツがいつま で続くか分からないので、長期的に見るとカドショの存続は安泰とは言えない気がする。
そしてもう一つの懸念点はカードゲームのデジタル化だ。近年【シャドウバース】をはじめとしたオ ンラインカードゲームが盛り上がりを見せている。さらにそのデジタル化を加速させるが如くコロ ナウイルスによる対面での対戦の禁止、イベントの中止が紙のカードゲームにトドメを刺しに来て いる。そしてそれに呼応するかのように遊戯王を運営している【KONAM】からオンラインの遊戯 王カードタイトルとして2016年〜2022年にかけて3タイトル以上展開されている。この現状を見る からにオンラインのカードゲームの需要が高まってしまうかもしれない。
◇終わりに
とここまでカードショップの事についてあれこれ書いてきたが、カードゲーム業界は形はどうであ れこの先も続いていくと思うのでカードショップ側もオンライン化の変化に上手く順応してくれる事 を祈って今回は終わりにする。