日本最大級のゲームイベントと呼ばれる東京ゲームショウ。コンピューターエンターテインメント協会(CESA)主催の年に一度開催するコンピューターゲームをはじめとしたコンピューターエンターテインメントの総合展示会です。
今年の東京ゲームショウ2024は44の国と地域から985の企業・団体が出展し出展小間数は3252コマ、出展タイトル数は2850タイトルと東京ゲームショウ(TGS)史上最大規模の開催となりました。
今回はその東京ゲームショウ2024に行ってきたのでレポートしていきたいと思います。
『Sapporo Game Camp』
札幌のゲーム会社が大集合のSapporo Game Camp
Sapporo Game Campは札幌市内のゲーム会社が合同で未来のゲームクリエイター育成を目的に、企業と学生をつなげながら札幌市や北海道のエンターテインメントを盛り上げる活動を行っている団体です。主にゲーム企業への就職を目指す学生に向けてゲーム制作の面白さを実感してもらうためのゲーム開発イベント『Sapporo Game Camp』を札幌市で年に1回開催しています。
TGSでは、Sapporo Game Campに参加してる企業のゲームや、昨年開催された『Sapporo Game Camp 2023』の中心でもある企画、学生とプロのクリエイターが一緒になってゲーム制作に挑戦するプログラム「Game Jam」で作成した16個のオリジナルゲームの試遊をすることができます。
Sapporo Game Camp2024 WEBサイト https://sapporo-game-camp.com/
まさかの遭遇エアホッケー
Sapporo Game Campブースについて1番最初に目に入ったものそれは
エアホッケー
…エアホッケー!?!?!?
試遊できるゲームの詳細がわからないままだったのまさかの遭遇です。見たことあるやつだ…
『エアホッケー@GAMEPACK』とはダットジャパン株式会社が開発した人気のPCゲーム。2000年〜2010年代の富士通・FMVの多くにプリインストールされていたミニゲーム集『GAMEPACK』に収録されたタイトルで、2024年にWebブラウザ版が無料公開され、多くのゲーム配信者が実況プレイし話題になりました。
『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』は『エアホッケー@GAMEPACK』ブラウザ版のプログラミングを担当した株式会社HiBiGAが制作したスピンオフ新作ゲームで2024年12月下旬にSteamでリリース予定のです。異世界転生した「ゆうた」や「とろぞう」による 「エアホッケー」×「ローグライク」で新要素として、AIの改善やPC向けにパフォーマンス・操作性の最適化、ローグライク風の新モードの追加、そして配信者や他のプレイヤーとも交流できる『森のなかまたち(ぽーん)』システムなどが搭載予定になっています。
エアホッケーのゲーム自体はしたことがないのですが、友人たちがエアホッケーが好きなため定期的にエアホッケーの名前やキャラクターたちを見聞きしていました。なので、今回試遊ができるのはとてもラッキーでした。
定期的にエアホッケーのスタンプが友人たちから送られてきます。
試遊時では、『エアホッケー@GAMEPACK』でも初戦の相手でもあるゾウのキャラクター「トロゾウ」と対戦できました。エアホッケーいえば敗北時の対戦相手のこの世の終わりのような暗い表情。絶対にトロゾウの敗北顔を見てやるんだ、とやる気満々でした。勝つぞ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!✊
………めちゃボロ負けしました!!!!
開始30秒で残りのライフの差が二倍になりました。強すぎる。
トロゾウありえないくらい強かったです。自分がPCゲームの経験が少なくマウスの操作が慣れていないのもあるが、それでも初戦の相手とは思えない強さでした。悔しい。
エアホッケー ゆうしゃとマホウの森公式Xhttps://x.com/ah_yumaho
高クオリティすぎる開発研究用ゲーム
ブース内を散策しているとグラフィックがとても綺麗なゲームがありました。株式会社エイティングさんの『RAIZIN』、こちらも試遊させていただけることができました。『RAIZIN』を開発するにあたって発足した研究開発プロジェクトの「Project RAIZIN」はクオリティが年々と上がっていくゲーム業界で、高い開発力を維持するため始めました。今のことだけではなくこれから先のゲーム業界の将来を見据えた研究になっています。当初はリリース前のTGS限定試遊だと思っていたので、リリース予定の無い研究開発用のモックとのことで驚きました。商品として出ていてもおかしくないクオリティでした。
ゲームのジャンルとしてはアクションゲーム、キャラクターを操作して敵であるモンスターを倒していきます。
見ての通りグラフィックがとても繊細に精密に作られていてとても綺麗です。外のステージでの自然の眩しくも明るい光と建物内の人工的な不気味な赤い光の二つの光の表現の差がとても良く、個人的には1番好きでした。バトルアクションも近距離攻撃から遠距離攻撃まで多種多様で、ボタンの押し順や条件次第では回転斬りやエネルギー弾を飛ばすことができます。私は戦闘に必死で押し順のことは考えられなかったです。
最後のステージでもあるボス戦の難易度はかなり高く難しかったです。攻撃を当てるだけでも難しいのですが、ボスには三段階変化があり、攻撃方法や形態が変わるため変化前と後で多くのダメージを与えられる攻撃方法も変化します。なので、やっと慣れてきたところで形態変化して攻撃方法を変えなけえばいけなくなるのでどの攻撃が1番ダメージを与えら得るかの試行錯誤でのバトルはかなりワクワクしました。HPが0になりゲームオーバーになってもコンテニューすることができるのでゲームオーバー→蘇生→ゲームオーバーの繰り返しでした。なのでクリアした時の達成感は計り知れないものでした。
やり込み要素もあり映像技術も高く満足度はかなり高かったです。いつかは製品版を出して欲しい作品です。
株式会社エイティング公式サイト 研究開発プロジェクト『Project RAIZIN』https://www.8ing.co.jp/company/8ing/research-and-development/
追いかけてくる魑魅魍魎
他のゲームの試遊があるのかとブースのあたりを彷徨っていたら、企業の方から声をかけていただき試遊させていただけるができました。
株式会社pixydaさんの『百鬼夜行サバイバー』は絵巻物「百鬼夜行絵巻」がモチーフの世界で、武者や妖怪を仲間にしながら迫りくる魑魅魍魎の大群に挑むローグライクアクションゲームです。
絵巻の世界に入り込んだようなステージで全方向から襲いかかってくる敵を倒し、経験値を集め自己強化や仲間集めを行い、夜を乗り越え朝まで耐えるか鳥居をすべて破壊しボスを倒すかの二つの方法でクリアすることができます。
一度は見たことのあるような魑魅魍魎たちに惹かれ試遊をしました。直近に『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見たので妖怪ものについ惹かれてしまいました。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』視聴レポート
意外と難しい…!
四方八方から来る敵を倒すので精一杯で経験値やお助けアイテムの回収がなかなかうまくいきませんでした。経験値を一定の量を集めると攻撃力や移動スピードの強化ができるほかに仲間を増やせることができるのですが何の強化要素がドロップするかはランダムになっています。運悪く仲間がなかなかドロップせず、攻撃力や攻撃スピードを強化して敵の群から必死に逃げてうまくやり過ごしていました。何か話さなきゃと思いつつも、ゲームに必死になってしまい問いかけに答えることぐらいしかできないほどやりこんでしまいました。
その後は無事仲間を得られましたが、先ほどの追いかけ回されていたのが嘘のようにスムーズに敵を倒せるようになりました。技術の他にも運の要素もあるゲームだと感じられました。しかし強くなっていくのは自分だけではなく敵ももちろん強くなっていきました。単純な近距離攻撃のみだったのが遠距離攻撃する敵や攻撃範囲が広い敵、移動が早い敵など多種多様の攻撃をしてくる敵に囲まれ、残り後10分のところでゲームオーバー。それでもここまで生存できた人はなかなかいないそうです。
百鬼夜行サバイバー公式サイト https://www.pixyda.co.jp/hyakki-yako-survivor/
NINJA REVENGER 公式サイト https://www.pixyda.co.jp/ninja-revenger/
株式会社pixydaさんインタビュー
試遊後にインタビューにお応じていただけました。
みんなで同じプロジェクトを扱ったりもするので、内容は同じです。
札幌チームの方がちょっと3dに強く、東京側の方が2dとかに強いっていう違いはちょっとあるんですけれど大体は同じです。
ほぼほぼ同じです。ほんとに構えている場所が違うだけです。もちろん一緒に同じ作業をしたりもします。
基本的にはアプリゲームが主体になっていて、 今回、今までそのSteamとかに出すゲームって作ったことなかったよねっていうのが発端で、それで今回作ってみようっていう感じになりました。
まだどちらも体験版になっていて、NINJA REVENGERが10月の31日にEpicGamesの方から先行して配信予定で、百鬼夜行サバイバーは10月に体験版を配信予定で、来年度の2月に発売する予定になってます。
ほんとですか。ありがとうございます。かなり黙々とやりたくなりますよね。わかります。
最初いい仲間をゲットできてたので、それですごくうまく繋いでたんですけど。やっぱどうしても運なので、なかなか出てこないっていうので、最初にすぐ死んじゃったりとか、すごくありえるゲームなんです。なので、途中で落ちてた小判を集めると、もう1回遊ぼうって時にその小判でキャラクター本体の強化をできます。そうすると最初から攻撃力が100上がった状態だぜみたいな感じで、ちょっと強い状態からスタートできるっていうのを蓄積していってステージをクリアしていくっていう感じになります。なので最初はどうしても難しいです。なのでこれはすごい方です。
NINJA REVENGERは札幌チームなのでこちらのことはわからないです。百鬼夜行サバイバーは作ろうって集まったチームが、こういうゲームをやりたいですっていうプランナーさんが企画を考えるんですけど、その人の妖怪がすごく好きな人でちょっと妖怪モチーフにしたのを作りたいというのと、ヴァンパイアサバイバーが好きだったで妖怪とヴァンサバで組み合わせたら面白いんじゃない。みたいな感じでっていうのが発端です。要素としてはヴァンサバと同じで敵がいっぱいわーって来る感じです。このゲームはそれで配置したりとかがあるので、ちょっと違ったりするんですけど基本的にヴァンサバライクのゲームになっています。
かなり偶然ですね。
一応共同で行ってるとは言うんですけど、同じプロジェクトが重なった時に同じするだけで、これ結構別軸です。東京は東京で、 札幌は札幌で作ろうっていうので、もう全然情報共有せずに作っていました。完成したらこんなんだったよ感じで、かなりたまたまだと思います。
プランナーさんが、このキャラクターって例えば雪女だとかで氷使いそうだよね。じゃあどういう氷がいいの。みたいな感じで決めてって。で、じゃあ遠隔でマリを投げるキャラとかいるから、氷吐くのだったら面白いんじゃない。みたいな感じです。発想なんだと思う。まずこれが面白そうだねっていうので決めてって、最終的にこうなってるっていう感じです。
ありがとうございます。私も見ててすごく楽しかったです。
キャラは5キャラ以上います。ランダムで出てくるので、 何回もやってるとこのキャラのこの攻撃強いとかっていうのがわかってきます。なので違うキャラが出てきたら、これじゃないから今回は自己強化にするみたいなパターンもあります。5枠埋まってしまうと、もうそれ以上キャラはドロップしてこないので、どのキャラを5枠最初に埋めるかっていう戦略もちょっと入ってきます。
かなり大事だと思います。接近ばっかのキャラになっちゃったら結構厳しいと思います。
なので今回遠距離攻撃ができるキャラクターが多かったのでかなり強いパーティーになってます。
私が携わっているのが百鬼夜行サバイバーの方なのでこちらのほうだけになるんですが、妖怪がメインになってるので、妖怪に目を引くと思います。これ実際キャラのモーションの動きを1つ1つ丁寧にすごく作っていて、 集合してるとわちゃわちゃってなってるのでちょっと見づらいんですけど、キャラクター1つ1つの挙動が結構面白くなってるので、そういうとこ見ていただくとまた違った楽しさが見出せるのかなと思います。
東京ゲームショウ感想
東京ゲームショウでブースを何個も回るのはこれが初めてだったので自分が今までやってこなかったジャンルのゲームのブースを見たり試遊ができてとても面白かったです。
Sapporo Game Campさんのブースではどこの企業さんも試遊時にゲームの説明やプレイのアドバイス制作時のことなど色々お話してくださったのでとても楽しむことができました。試遊したゲームどれも魅力溢れるものだったので製品版などでまたプレイしたいと思いました。