愛の重さを知る人よ〜「空の青さを知る人よ」〜
本作品は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「心が叫びたがってるんだ。」のアニメ監督を務めた長井龍雪と脚本家に岡田麿里、そしてキャラクターデザイン&総作画監督で田中将賀の3人がタッグを組み制作されたオリジナルアニメーション映画だ。公開日は2019年10月11日となっている。今回はこの作品の注目した点を3つ紹介していく。ネタバレが含まれるので今後視聴予定の方はブラウザバックを推奨する。
1つ目はタイトルとは裏腹にかなりドロドロとした恋愛映画である点だ。監督が長井龍雪さんの作品なので何かしらの重い要素があるのではと予想していた。だが今回は前述した2作品とは別方向の話の重さがあり新鮮だった。主要人物達のほとんどが誰かしらに恋愛感情を抱いており、そのドロドロとした関係性は昼ドラマ顔負けレベルだった。
続いて2つ目は主人公が中々のクズな点だ。自分の言いたい事や思った事は相手の言葉を遮ってでも主張するが、話している相手にやつあたりをし、勝手に癇癪を起こして相手を困らせ、挙げ句の果てには姉を傷つけかねない発言をしていた。それにも関わらず謝罪の一つすらなく、見ていてとても腹立たしかった。周りが優しく寛容な人間が多いので何とかなっているが、客観的に彼女の行動や言動を見るとただのクズである。全く感情移入ができない主人公だった。
そして3つ目は話が上手くまとまっている点だ。オリジナルアニメーション映画は要素が多いが話がまとまらず、制作側の伝えたい意図が視聴者に伝わらないケースが多い。今作品は映画1本に上手く話がまとまっており、内容も頭に入りやすかった。
最後になるが総評としては上手く要素がまとまっていながらも話に重さがあり、主人公に目を瞑ればかなり満足ができた作品だった。Blu-ray&DVDも出ているので気になった方は是非視聴する事を勧める。