【不思議なひと夏の思い出】
⚫︎夏へのトンネル、さよならの出口 レビュー
私が今回紹介する作品は、「夏へのトンネル、さよならの出口」という作品です。八目迷によるライトノベルが原作の作品となっており、第13回小学館ライトノベル大賞にてガガガ賞および審査員特別賞を受賞している作品です。
この作品の主人公である高校2年生の塔野カオルは、ある日不思議な噂を耳にします。それは「そのトンネルに入ったら、欲しいものが何でも手に入る。ただしそれと引き換えに歳をとる」というウラシマトンネルの存在です。そんな中、東京から転校してきた花城あんずと出会います。2人はお互いに欲しいものを手に入れるため、協力関係を結び、忘れられないひと夏の思い出を過ごす2人の青春群像劇となっています。
この作品を視聴して私が感じたことは3点あります。
1点目は、物語の構成がはっきりとわかりやすくなっている点です。
起承転結がしっかりとしており、視聴時間約90分という中で、内容の深い物語となっており、とても面白かったです。物語後の2人がどうなるのかも気になって考察したくなるような作品でした。登場人物も少なく、見やすかったです。
2点目は、キャストについてです。
この作品のキャストの大半は声優ではなく俳優を起用しており、特に主人公塔野のキャストが気になりました。主人公の性格的にあまり笑ったりする性格ではないため初めはそこまで違和感を感じませんでした。ですが、後半のクライマックス辺りから主人公は段々と笑うようになったり、自分の気持ちを強く言葉や心のうちで叫んだりと、成長していきます。そんな中、初めの頃と変わった様子のない主人公の演技に、せっかくのクライマックスのシーンで気が逸れてしまいました。製作側の意図としては、これから売り出していく俳優を起用していくべきなのはわかりますが、私としては違和感を感じてしまいました。それでも、話題の俳優ということもあり宣伝効果はあるので難しい問題です。
3点目は、マッドハウスの影響を強く受けている作画だと感じました。
マッドハウスの作品は、ハイライトで髪の毛を縁取ったり、実線の色が光の加減によって黒に統一されていなかったりと、光を強く意識している印象です。特に最近の作品はその傾向にあります。この制作会社の代表の方が元々マッドハウスで活動していたため、影響を受けているのだと思いました。
制作会社の特徴を観察するというのも、私にとっては作品を鑑賞するにあたって楽しみの1つとなっています。
以上3点が私が感じたことです。
私は、普段あまり触れてこなかったような作品でしたが、面白く満足度の高い作品でした。これを機にいろんな作品にもっと手を出してみます!!
皆さんもぜひ見てみてください♪♪