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妻はDV 娘は不登校 父の家族再生物語

 

そんな家族捨てちゃえば?

 

この作品は、村山渉さんによる家族をテーマとしたマンガです。歪んだ家族の再生物語。

 

本作の舞台は、篠谷家。家の廊下にはテープが貼られており、夫・令太郎はそのテープを超えることは許されない生活を送っている。そして妻・和美のルールである、娘・一花との会話、食事は一緒に取らない、『おかえり・行ってきます』といった挨拶はしない、ドアの音を立ててはならない、洗面所・お風呂は使ってもいいが、トイレは使ってはならないなどルールのなか暗く狭い部屋で寝食を強いられる生活を送っている。倉敷沙耶子に出会い家族の再生を目指す令太郎の運命は……。

 

1話1話違和感を覚える作品だと感じた。お話をたまにすっ飛ばして読んでいるのではないのかと不安になる要素もあり、令太郎の得意とする謎解きがあるのでキャラクターと同じ視点で問題を解くことができる。

シリアスな要素が多い分重い感じにはなってはしまうが、謎解きという部分で娘・一花と父・令太郎が少しずつ心を通わせていくところに、今まで関われなかった2人に再生の兆しが見えるのではと思ってしまう。

お話自体完結はしていないため、他にも家族にとって大きな障害がたくさんあるが、それに対して令太郎や一花が取る行動、不登校である一花に歩み寄る倉敷沙耶子の息子・光との友情。フィクションではあるが、リアル感あふれる作品。このじわじわくる恐怖感がこの作品の良さだと思った。

 

最後に、いろんな人間関係の問題をちょっとずつ集め、まるめ込んで煮込んだ感じの苦味が残る感じ。そして精神的にくる恐怖感が「次が早く読みたい」と感じてしまうところがお話のよさです。

ここまで辛い感じの作品を読むのが私自身初めてだったため、初めは最新話まで読めるか不安だったが新キャラや、和美がどうして令太郎に対してあのようなルールを設けたのか。

そして彼女の過去について明かされていくところなどを読んでいくと、初めに感じた不安要素は掻き消されていきます。まだしっかりと明かされていない倉敷家についても今後の最新話に期待しています。『そんな家族捨てちゃえば?』は書籍化もされていますし、WEBでは途中読めないところもありますが、最新話ならWEBサイトでも読めるのでぜひ気になった方は読んでみてください。

 

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