今も昔も目を背けてはいけない世界『かがみの孤城』
辻村深月のベストセラー小説「かがみの孤城」。子どもから大人まで幅広い世代から熱い支持を集め、累計発行部数は現在160万部を突破。そんな多くの人から愛される小説が満を持しての劇場アニメ化!
学校で居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。
ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの6人。
さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、
「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」
と告げられる。
期限は約1年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う——。
果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
(公式サイトから抜粋)
小説を触りだけ読んだことがあるため、ある程度お話が分かったうえでの映画だった。主人公・こころの気持ちなどなんとなく当時読んでいて共感できる部分があると感じたし、時を経て映像として見ると『自分にもこんな時があったな』と感じるシーンがあった。
小説では当たり前だけど細かく書かれていたため、時々わかりにくい表現などがあったが、映像があるだけでわかりやすく伝わり、尚且つ500ページにも及ぶ本を116分と長いようで短い時間の中で全てを伝えていた。あとオオカミさまが『もう十分すぎるほどヒントを与えた』と言っていてシーンでは、これはキャラクターのみならずこの作品を楽しんでみるための一つの演出なんだと気付かされた時、「やられた!」とのちに見終わったとき感じた。
最後に、この作品は昔も今も目を背けてはいけない問題だと感じた。
学校という狭い空間の中でどのように生きていくのか、どのように学生生活を送るのかは人それぞれではあるが、この作品で伝えたい『必ずしも学校に行かなきゃいけないわけではない』。この作品を見て私にはそう感じられた。
原作をもう一度読みたいと思わせられました。