今回は、一風変わって今年のゲームを振り返りつつ今後どのようなゲームに注目が集まっていたのかを月ごとに分析していき、今後どのようなゲームが流行っていくのかを考察していく。
※この記事は考察のため、Twitterゲーム大賞の解説・動画本編の紹介などはしておりません。
【1月、2月】
『モンスターハンターライズ』などの発売されたコンシューマーゲーム※1、『ラクガキキングダム』や『ウマ娘』などの大人気ソーシャルゲーム。そして『ダイパリメイク(ダイヤモンド・パールリメイク)』や『スプラ3(スプラトゥーン3)』などのまだ発売していないが期待値が高いゲームや発売が決定されたゲームが話題に上がっていた。
この中で1番注目したいのはやはり『ウマ娘』だろうか。マンネリ化しつつあるソシャゲ界に一石を投じたメディアミックスコンテンツ『ウマ娘プリティーダービー』
今まで物や建物を擬人化してゲームにするというのは『艦隊これくしょん』や『アズールレーン』など多岐にわたってきた。しかし、単一の生き物を擬人化するのはウマ娘が初めてだったのではないだろうか。なるべく史実に乗っ取ったストーリー展開、事故や怪我で去っていってしまった馬たちのIfの物語。育成シュミレーションゲームであり、推しの馬を自らの手で重賞レースを勝たせるゲーム性は多くの人を魅了したことだろう。
【3月、4月】
こちらは『mother3』や『どうぶつの森』などの周年記念を祝うツイートがやや多いイメージだが、『ピクミンgo』や『ポケモンスナップ』、『アモングアス』とありとあらゆるプラットフォームの新作ゲームが目についた。
特に注目したいのが『アモングアス』だ。
このゲームは簡単に説明するとアクション性があり、ターン制では無くなった人狼ゲームのような感じの大人数オンラインゲーム。
では、なぜ人気が出たのだろうか。それは、『人狼ゲーム』がワードウルフやアプリの人狼ゲームなどの派生作品が長らく愛されるほどのパーティーゲームであるということは間違いない。だが、特に大きいのはコロナ禍によるリモート環境(ネット環境)がずっと浸透したことが要因ではないかと推察する。
ここで思い出してほしい。コロナで家篭りした時何が流行ったかを。『鬼滅の刃』などのコミックスや『リングフィットアドベンチャー』が一時期爆発的人気を博してはいなかっただろうか。そう、昨今はコロナ禍をうまく使ったコンテンツ・ジャンルに注目が集まっているのではないだろうか。
【5月、6月】
さて、だんだんと見えてきた5月、6月。この時期は、『ボンバーマン』や『パワポケ』などの昔からある人気タイトルの新作をはじめ、『ドラクエ』や『スプラトゥーン』などの先月と同じく周年を祝うトレンドが強い印象だ。
しかし、私が注目したいのは『ポケモンunite』、『FF9アニメ化』だ。
何故これらに注目したのか、順番に語っていこう。
まず『ポケモンunite』だ。これはSwitch、IOS、Androidで配信されている基本プレイ無料の対戦ゲームなのだが、これもコロナ禍にはぴったりの大人数オンラインゲームである。そして今後出す予定だった『ダイパリメイク』をより注目させるための布石だったのではとも思えてしまう人気ぶりだった。
『FF9アニメ化』はウマ娘などのマルチ展開と同様、ゲームの枠を超えて様々な分野に発展しているのがよくわかるトレンドだ。しかも制作は、フランスにあるサイバーグループスタジオが担当するとのこと。ターゲットは8〜13歳の子供とその家族でゲーム原作をリスペクトして作るらしい。このことから、日本発祥のゲームである作品(ドラゴンクエスト、ファイナルファンタジー、ポケットモンスターなど)が非常に海外に人気で、今後のコンテンツ・ビジネスとして期待されていると入っても過言ではないと思う。
【7月、8月】
ついに下半期に突入した。
今回は、ハッシュタグを用いたソーシャルゲーム関連のトレンドが多く見れた。
そこで、『♯ゴルシ捕獲ゲーム』に注目して語っていこう。
まずハッシュタグを用いた3つのトレンドについてだ。
3つの内、ゲーム名がそのまま乗っているFGOと原神は後に説明するとして『ゴルシ捕獲ゲーム』がなんなのかわかる人はいるだろうか。
これはウマ娘に出てくるゴールドシップを指す言葉なのだが、7月8日にCygamesが運営するソーシャルゲームが軒並み大規模なアクセス障害によりログインができなくなった時にユーザーが暇潰しで考えた遊びが話題になった。内容は、ウマ娘にはゲームのオープニングムービーとしてトレセン学園というゲームの舞台となっているところを春夏秋冬、朝から晩まで早送りで見せるというものがあるのだが、その中でコマ送りで流す映像の中で一瞬ゴールドシップがカメラを横切るシーンがありそこをスクリーンショットで写真に収めるという単純明快な遊びだ。
これには運営も思いがけないトレンドに驚いたことだろう。そして、ユーザーの順応性や発想にも驚いた。
この月はこういった、ユーザーが自らソーシャルゲームに彩りや盛り上がりを取り入れるべく行動したものが多かった印象が強かった。
【9月】
今月は『新型Switch』や『ヒノカミ血風譚』、『スプラ3』、『ダイパ15周年』など任天堂関連のトレンドが多い印象だった。
さて、ここで1つ気づいたことがある。それが『スプラ3』が1月、2月のトレンドにも上がっていなかったかというもの。そう、発売を発表したのが2月だったのだが、新映像を9月に流し再びトレンドに上がったのだ。それほどまでにスプラトゥーンというコンテンツの人気が高く、任天堂作品が愛されているとよくわかる月だった。
【10月、11月】
10月、11月のトレンドはなんといっても『新ファイター』ではないだろうか。
これは『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』からのトレンドで、今作は新規キャラが多くの他作品からコラボしたというのもあって話題を呼んだタイトル。
キャラクター総勢86体いて、コラボ最後の87体目はいったい何か。終わる悲しみと期待が入り乱れるツイートが数日前から見られていたのが印象的。
そして、トレンドに挙がった日。新規キャラクターはキングダムハーツの『ソラ』と発表され日本のみならず世界中で大きな話題となった。もちろんビックタイトルということもあるのだが、『ディズニー』や『スクエアエニックス』などの大手企業からの参戦とあって版権や数々の問題をクリアして参戦してきたことに驚きを隠せなかったユーザーが多かった。
コラボゲームとしても大人数の格闘ゲームとしても、人気を馳せた『スマブラ』が一旦終わりを迎えた月だったと思う。そして、今後この空いた席をどこが拾いに行くのかも楽しみである。
まとめ
さて長らく語ってきた分析だったが、ここらでまとめてみようと思う。
今年のキーとなったものは、『大人数オンラインゲーム』と『メディアミックス』『複数のプラットフォーム』ではないだろうか。
『大人数オンラインゲーム』は、コロナ禍による不要不急の制限により友人間とのコミュニケーションや新たな繋がりの場としての需要に大変マッチしていたように思える。また、コロナ禍は収まってきたとはいえ、変化してきた環境はなかなか戻らない。今後はずっとオンラインが必要不可欠な要素になってくるのは間違い無いだろう。
それも、大規模のだ。トレンドの作品を例に挙げていくと、ポケモンuniteやアモングアス、スプラトゥーン、原神、スマッシュブラザーズなど4〜10人以上で同時に遊べるゲームが特に流行っているように感じる。理由はリモート環境で複数人との同時接続に慣れてきたこと、YoutubeでVtuber※2やストリーマー※3がコラボしやすくこぞって配信をしてきたことが大きな話題性となって、注目を集めたのではないかと考えている。
『メディアミックス』もウマ娘をはじめ、アニメと同時期に新作カードゲーム発売や、ソーシャルゲーム配信開始などがある。これは、多くの人の目につくような戦略として多くの業界が注目しているコンテンツと言える。
『複数のプラットフォーム』もまた増えているように感じる。
これはネットの普及や技術向上と強くむずびついていると思われる。その為より多くの人・層にプレイしていただくためにポケモンuniteやアモングアス、APEXなどのパソコン・iOS・Android ・Switch・PlayStationで幅広くプレイ出来るようにするのが主流になっているようにも感じる。その関連から、クロスプレイ※4という言葉も最近ではよく目にするようになってきた。
また、トレンドに上がった作品はポケットモンスターやボンバーマン、パワプロなどのファミリー層に馴染み深い作品が多かったと思う。そういったところから、今年はコンシューマーゲームやソーシャルゲームが家庭に浸透し、コロナ禍のお陰で良い方に転んだ年とも言えるだろう。
では、来年どういったゲームが流行ってくるだろうか。
初めはコンシューマーゲームが流行るとかソーシャルゲームが来るとかそういったところから考察していこうと思っていた。しかし、前述で書いた通り複数のプラットフォームでの展開が今後より増えていくと考えると安易に絞っては視野を狭めるように思える。
というわけで、プラットフォーム関係なく今後大事になっていく要素を考えていこう。
まずは前述した3つの要素『大人数オンラインゲーム』と『メディアミックス』『複数のプラットフォーム』だ。
これは、先程も書いた通り今後とも需要が高まっていくと思われるので、重要な要素だろう。
これ以外だと、『簡単なゲーム』と『動画配信者(Youtube)』が今後強く結びついていくのではないだろうか。
まず『簡単なゲーム』が何故重要な要素に挙げたのかだが、コロナ禍の環境で家族全員が家の中にいる時間が増えたことから、家族でゲームをやる機会やふと空いた時間に久しぶりにやってみようかなと思う機会が増え、導入として過去の作品やパーティーゲームなど比較的ゲームシステムの簡単なゲームをやり始める人が増えるのではと考えたからだ。
また、トレンドに挙がった作品をはじめ、Switchの登場で気軽に持ち運べてテレビに接続でき、1台で2人分のコントローラーとしての機能も担える優秀なゲーム機が登場したので、よりゲームが身近な存在になったのも要因だろう。
そして『動画配信者』だ。最近Youtubeでは、一般の人の他にも続々と芸能人が参入してきている。また逆にVtuberやYouTuberがテレビ出演なども増えてきて、Youtubeや配信者が身近な存在になってきている。
また、最近だとジャンル関係なく沢山の人がアモングアスやマリオカートなどのゲームをプレイしており、視聴者参加型や実際に楽しそうにゲームをプレイしているのを見て興味を持ってゲームを買うという流れも今後増えてくるのではないだろうか。
さて私が考えた重要な要素を含めて、具体的な作品を1本挙げてみようと思う。
それは『マリオカート』だ。
現在、配信者の中でも大会を開いたり視聴者参加型を行うなど、人気ゲームの1つだ。昔からあり家族でも、大人数でも楽しめて上記に挙げた条件にピッタリだと思う。
更に、2022年にマリオカートが30周年を迎え、発売の間隔も前作から約4〜5年と考えると十分2022年に発売発表される可能性が高いし、確実に発売されたらその年の覇権ゲームを狙えるほどの人気の高さと話題性を誇っている。
どうだっただろうか。
大変長くなってしまったが、ここまで語っても語り尽くせないほどゲーム業界は深く膨大な歴史がある。
この考察はあくまで私1人の意見であり、見てくれた方も是非次に流行りそうなジャンルだったり、シリーズを考えてみてはどうだろうか。
今までのゲームの見方が変わって、より深く楽しめること間違いなしだと思う。
※1 コンシューマー:家庭用ゲーム機の総称、例:Switch、PlayStation、Xboxなど
※2 Vtuber:主にインターネットやメディアで活動する2DCGや3DCGで描画されたキャラクターのイラスト、またそれらを用いて動画投稿・生放送を行う配信者の総称。
※3 ストリーマー:動画配信者を指す言葉であり生放送、録画かは問わない。ライブ(オンライン)の場合はライバー、ライブストリーマーとも呼ばれることがある。
※4 クロスプレイ:異なったプラットフォーム(機種)でプレイする場合でも通信ができ、協力や対戦などが出来る機能である。