第1回 リメイクについて知ろう!『おそ松さん』
リメイクされる作品を予想する前にこれまでのリメイク作品たちを見て傾向を分析していこう。最初に紹介するリメイク作品は『おそ松さん』である。個性豊かな松野家の六つ子たちがおくるドタバタな日常を描いたコメディで、週刊少年サンデー(小学館)に連載された『おそ松くん』をリメイクしたアニメ作品である。2015年10月に放送が開始し、あっという間に大人気となった。第3期まで放送されるだけでなく、3月に実写映画が公開されたのは記憶に新しい。また、今年7月には全国公開の劇場映画も控えている。
今後リメイクを予想するにあたって、注目したいのはリメイクのきっかけと作品の詳細だ。
アニメが放送された2015年というのは『おそ松くん』の作者である赤塚不二夫の生誕80周年。それをむかえるにあたって『おそ松さん』は企画された。
『おそ松くん』は『おそ松さん』としてアニメ化される前の2015年7月時点でシリーズ累計1000万部の大人気作品。だが、連載は1960年代。アニメも1989年が最後なので少なくとも20年以上も前の作品になる。
このことから『おそ松さん』は既存のファンというより新規のファンを獲得するために作られたと考えることができる。
原作の『おそ松くん』では松野家の6つ子は小学5年生という設定に対してリメイクされた『おそ松さん』では20歳以上の成人に設定が変更されていて、さらに声優に着目をすると今をときめくイケメン声優の名前が連なっている。幅広い年代をターゲットとしていた以前と違って、若い女性を中心としたターゲットへ切り替わっていることがうかがえる。
リメイクとは作品の作り直しを意味するが、元の作品に基づきながらも今の時代に合わせた上記のようなアレンジが加えられていることが多い。
今回、かなり古い作品でもリメイクによって人気作品として復活できるということ。そしてイベントがリメイクのきっかけになることがわかった。
ほかのリメイク作品はどのようにして作られたのかはまた次回。