ひと夏の思い出「夏へのトンネル、さよならの出口」
デビュー作が第13回小学館ライトノベル大賞において「ガガガ賞」と「審査員特別賞」をW受賞した八目迷先生による小説『夏へのトンネル、さよならの出口』が劇場アニメーションとして2022年9月9日に公開。
『夏へのトンネル、さよならの出口』は、監督を映像表現に定評のあるアニメーション監督・田口智久さん、キャラクター原案・原作イラストをせいちでドラマティックなイラストレーションで知られるくっかさん、制作を手がける新進気鋭の制作会社CLAPが担当。
ウラシマトンネル——そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
ただし、それと引き換えに「100年歳をとる」。
夏へ
トンネルの外だけが時間が進む。
淡白で掴みどころのない性格だが、過去の事故を心の傷として抱えている塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し、お互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。
このお話は、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。
過去を求める主人公と未来を求めるヒロイン。一見向いている方向が同じに見える2人。
主人公カオルは、幼いころに妹を亡くしそれがきっかけで家族が壊れてしまったことで、心に深い葛藤と傷を抱えている。
一方でヒロイン・あんずは、祖父の夢を継いで漫画家になるという強い執着心を持っている。
そんな2人が出会い、共同戦線を組んでこの「ウラシマトンネル」を攻略し、自分たちが望むものを手に入れようと試みるのが、本作の大筋。
先ほども書いた通り、一見同じ方向を向いているように見えるが実は真逆の方向を向いている。
カオルは亡くなった妹と壊れてしまった家族との過去を生きている人間に対して、あんずは祖父の夢を継ぐという未来を生きている人間。
時間を犠牲にしてまで無くしたものを手に入れるのか、悩ましいものだが失ったものは返ってこない、そこまで執着しているのなら自分ももしかしたら2人と同じ行動を起こすのかなと思ってしまった。
夏から秋にかけてみたかった作品だなと思った。
最後に、自分ならどんな行動を起こすのか。そしてどんな選択肢を選んでどんな未来になるのかワクワク・ドキドキする作品だと改めて思った。
次に見るときは、内容が分かった上で見れるのでもう少し良い感じの文が作れそうだ。