幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2025」に参加した。今年は4日間で26万人を超える来場者数だったようで、私が行った日も会場に入るとすでに多くの人で賑わっており驚いた。また、外国人の姿も多く目立ち、ゲーム産業の国際化を強く実感した。
体験型の新感覚音ゲー
今回の取材では、主にVR関連の展示を中心に見学した。
まず体験したのは、台湾のFun2 StudioによるVR音楽ゲームである。流れてくるノーツに合わせて、手をグーかパーの形にして叩くという、新感覚の音ゲーだった。
私はVR自体が初めてだったので、立体的な映像空間と、大きく迫力のある音ですぐさま世界観に引き込まれていった。上部にカメラセンサーがついていて手の形を判別しているらしく、実際に体験してみてもミスなく正確な判断で驚いた。
シンプルな音ゲーなので普及率が上がれば、誰でもすぐに楽しめそうだと思った。

臨場感溢れる”痛みを感じる”格ゲー
続いて体験したのは、bHaptics社が展示していたVRと振動スーツを着用して行う格闘ゲームである。VRヘッドセットに加え、上半身と手首に振動パッドが内蔵されたスーツを身につけ、対戦相手とパンチを交わす。攻撃を受けると実際に衝撃が伝わってくるため、これまでのVRとは一線を画す「痛みを伴う臨場感」に驚かされた。
日頃から格闘ゲームに慣れているわけではないので、操作は少し難しかったが、体を動かすのが好きな人や、格闘ゲームが好きな人にはかなり刺さりそうなゲームだった。また、将来的にはeスポーツなどにも応用できると感じた

宇宙ステーション体験
3つめはフォーラムエイトが展示していた無重力体験VRである。専用のマシンに乗って体を360度回転しながら、宇宙ステーションの中を移動する体験ができた。やや酔ってしまったが、マシン自体は椅子型でありながらも、傾斜と映像の組み合わせによって不思議な浮遊感が再現されていた。
こちらの会社では3DVRを実際の都市開発や、道路事業などにシミュレーターとして取り入れていて、VRは勝手にゲームのイメージがあったので驚いたのと同時に、このシミュレーターがもっと多くの場所で取り入れられたら、未来の社会に大きく貢献できる可能性を感じた。

新発見の歩行型VR
最後に訪れたのは、日本電子専門学校の学生による歩行体験型VRである。(前述の通り私は酔ってしまったので同行者が体験)専用のハーネスや足のセンサーを履いて準備をしたあと、マットの上を歩くと動きが連動する。しゃがんだりする動きまで問題なく反応していて、まるでゲームの世界に入り込んだように進んでいくことができる。
個人的にはこの技術がさらに進化し、普及が広がれば行ったことのない土地への旅行体験ができたり、時間のかかる危険な土地での救助活動などでのシミュレーションとして行政での活用もできそうだなと思った。
新たに感じたVRの可能性
今回の取材を通して、VR技術は単なるゲームの枠を超え、未来の社会貢献への可能性があることを発見することができた。VRでの仮想空間を通して現実ではまだ達成できないことをシミュレーションしたり、実験的に使用することで、私たちの生活がより快適に、より先進的になることを願う。
