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『ペンギンハイウェイ』に隠されたメッセージ

今回は、アニメ映画『ペンギンハイウェイ』について「憧れ」というキーワードを主軸に考察していく。『ペンギンハイウェイ』は2018年に公開された森見登美彦のSF小説を原作としたアニメ映画である。 ある日、突如として街に現れたペンギンの謎をアオヤマくんたちが解明していく。SF要素のある
ほんのり切ないラブコメディ作品だ。

主人公であるアオヤマくんは小学生の設定だが、小学生らしからぬ一面が見られる。ませている という言葉が似合うキャラクターだ。成人するまでの日数を数えていたり、同級生でかわいらしく 人気のあるハマモトさんには一切興味を示さない。それどころか年上のお姉さんに恋をしていた りする部分を見ると大人への「憧れ」が強いと考えることができる。
物語が進むにつれて、ペンギンとお姉さん、そして森の奥で発見した「海」という透明な球体に関 連性があることが明らかになっていく。街を飲み込もうとしている「海」の謎にアオヤマくんはひと つの答えを出した。最後はペンギンたちとお姉さんが「海」に帰るという街の平和と切ない別れで 終わりを迎える。

この物語はアオヤマくんの成長を表しているのではないかと考える。「憧れ」とは未知なことから 来るものだ。人は知らないものに心踊らされる。しかし、知っていくと案外なんてことはないものだったりする。成長していくにつれて、物事を知っていったアオヤマくんにとって「憧れ」を 具現化した存在であったお姉さんは「憧れ」ではなくなったため姿を消したのではないだろうか。

もうひとつ「憧れ」の象徴のような存在が作中に存在する。それはペンギンだ。飛べない鳥である ペンギンは空に「憧れ」を持っているのではないだろうか。もし、そうであるならば空に「憧れ」を持 つのをやめて「海」という現実へ帰るのはどのペンギンも決まってたどることになる『ペンギンハイ ウェイ』といえるだろう。

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